絶対の自然
Cymbidiumは馴化しない。
人間にも、異郷の土地の環境にもである。
Cymbidiumは交配してから初花を見るまで6〜10年の年月をようするが、自生地のモンスーン気候の光、風、霧、雨、温度・・・を再現しないと、
異郷の地山形では育ってくれない。
私は、私の交配した花の写真を撮るとき、
この世に生を受けて初めて咲いた花にこだわって撮っている。
このことこそ、花を創った者のみが出来ることだからである。
その花を育んだ「光、風、霧、雨、温度・・・」を、
一番知っているのは私だからである。
私は、花をただ美しく撮るのであれば、
それは、誰にでも出来ると思っている。
「瞬間」を撮るのは誰でも出来ると思っている。
だが、その花を育んだ時空を・・・写すのは・・・
昆虫の目線で・・・
Cymbidium立体写真で迫力満点!!
Cymbidiumは「待つ美学」を持った花である。
巡り来る春をただひたすら待つ。
訪れ来る昆虫を「たおやかに」待つ。
植物の進化の究極に得た「美学」である。
ラン科植物のほとんどは「虫媒花」です。
地球上のどこにでもいる昆虫を受粉に利用するように進化した。
ランの中でもCymbidiumは、花の色彩、花容、機能などにおいて・・・・
その究極のものであると私は想う。
自生地にはCymbidiumに訪れる昆虫は少ない。
だから、Cymbidiumは3ヶ月も咲き続けなければならない。
私が特に惹かれるものの一つは、花の方向を微妙に変えて咲くことである。
昆虫への「こころにくい」ばかりの心遣い。
それを少しも表に出さないで、ひたすら「待つ。
媚びることはない。
Cymbidiumは「凛として・・・たおやか」なのである。
写真を円筒にしたら・・・・花の方向の微妙な違いを表現できた。
私もこんちゅうになって・・・・花たちの中をスラロームしたい。
宇井清太 記
ranntenn syasinn
